弁護士特約ガイド

弁護士特約とは?

交通事故で使えるケース・費用・手続きを解説

「弁護士特約って何?」「自分の保険に付いてる?」「どんな場合に使えるの?」
弁護士費用特約の基本から手続きの流れまでわかりやすく解説します。

【重要】本記事は弁護士費用特約に関する一般的な情報提供を目的としています。特約の適用範囲・上限額・手続きは保険会社や契約内容によって異なります。具体的な内容については加入している保険会社・弁護士など専門家にご確認ください。

交通事故の被害者になったとき、「弁護士に相談したいけど費用が心配」と感じる方は多くいます。実は、多くの自動車保険に「弁護士費用特約(弁護士特約)」が付帯しており、一定の条件のもとで弁護士への相談費用や依頼費用を保険でカバーできる場合があります。

しかし、特約が付いていることを知らずにいる方や、使い方がわからないまま利用しない方も少なくありません。このページでは、弁護士特約の基本的な内容・使えるケースと使えないケース・手続きの流れ・自分の保険に特約があるかの確認方法を解説します。

この記事でわかること

  • 弁護士費用特約(弁護士特約)とは何か
  • 特約でカバーできる費用の種類と一般的な上限の目安
  • 使えるケース・使えないケースの違い
  • 特約を使う際の手続きの流れ(4ステップ)
  • 自分の保険に特約があるか確認する方法
  • 特約を使うメリットと利用上の注意点

まず確認したいこと(弁護士特約は自動車保険の特約)

弁護士費用特約(弁護士特約)とは、自動車保険に付帯できるオプション(特約)のひとつで、交通事故に関連して弁護士に相談・依頼した際の費用を保険会社が負担してくれる仕組みです。正式には「弁護士費用等補償特約」や「権利保護特約」などと呼ばれることもあります。

多くの任意自動車保険でオプションとして加入でき、比較的低い保険料で付帯できる場合が多いとされています。すでに契約中の保険に特約が付いているかどうかは、保険証券や保険会社への問い合わせで確認できます。

ポイント:弁護士特約は、加入していても「特約の存在を知らなかった」「使い方がわからなかった」という理由で活用されないケースも多いとされています。事故後はまず保険証券を確認することをお勧めします。

弁護士特約でできること

弁護士費用特約によってカバーされる費用は、主に以下の2種類です。

弁護士への相談費用

弁護士事務所に相談したときにかかる相談料を、特約でカバーできる場合があります。「弁護士に相談したいけど相談料が心配」という場合に、費用の心配なく相談しやすくなります。

弁護士への依頼費用

弁護士に示談交渉などを正式に依頼した場合にかかる着手金・報酬金などの費用も、特約の範囲内でカバーされることがあります。

費用の上限について

弁護士費用特約には上限額が設定されています。一般的に「300万円程度」と言われることがありますが、保険会社・商品・契約内容によって異なります。上限を超えた費用は自己負担となる場合があります。ご自身の保険の上限額は、保険証券や保険会社への問い合わせでご確認ください。

注意:費用の上限額や対象となる費用の種類は保険会社によって異なります。必ずご自身の保険会社にご確認ください。

使えるケース・使えないケース

弁護士費用特約は、すべての交通事故に使えるわけではありません。一般的に使えるケースと使えないケースの目安を確認しておきましょう。

使えることが多いケース(例)

追突事故など相手の過失が大きいケース

相手方の過失割合が大きい事故では、損害賠償の交渉が必要になります。弁護士に交渉を任せることで、専門的な視点での対応が期待できる場合があります。

横断中・歩行中の事故

歩行者や自転車乗車中に起きた事故では、相手方保険会社との交渉が生じることがあります。弁護士特約を活用して専門家に相談することができます。

相手方との交渉が難しい場合

保険会社から示談金の提示があったが内容に納得できない、交渉が行き詰まっているなどの場合に、弁護士に相談・依頼することができます。

使えないことが多いケース(例)

自分の過失が100%の自損事故

自分だけの過失による自損事故(例:単独での自爆事故)では、相手方への損害賠償請求が発生しないため、弁護士特約の対象外となる場合があります。詳細は保険会社にご確認ください。

契約内容に対象外と定められている場合

保険会社や契約内容によって、特約が適用されないケースが定められていることがあります。ご自身の保険証券や約款の内容を確認することが大切です。

故意による事故や無免許・飲酒運転

故意による事故や法令違反(無免許・飲酒運転など)を原因とする事故は、特約の適用外となることが一般的です。

重要:上記はあくまで一般的な目安です。特約が使えるかどうかは、ご加入の保険会社の約款・契約内容によって異なります。事故後は必ず保険会社に確認してください。

手続きの流れ

弁護士費用特約を使う際の一般的な流れは以下の通りです。保険会社によって手続きの細部が異なる場合があります。

01

保険会社に特約の有無を確認する

事故発生後、まず自分の自動車保険の担当者や保険会社のコールセンターに連絡し、弁護士費用特約が付帯しているかどうかを確認します。保険証券でも確認できます。

02

弁護士を探す・相談する

特約の確認後、弁護士を探して相談の予約を入れます。保険会社が弁護士を紹介してくれる場合もありますが、自分で選ぶことも可能なケースがあります。事務所に相談時、特約を使う旨を伝えましょう。

03

弁護士に依頼する

相談の結果、依頼することが決まったら委任契約を結びます。弁護士が保険会社との交渉や手続きを代理で進めます。

04

保険会社に費用を請求する

弁護士費用が発生した後、弁護士または依頼者から保険会社に対して特約での費用請求を行います。手続きの方法は保険会社や弁護士事務所によって異なります。

手続きの詳細は保険会社によって異なります。特約の利用を決めたら、まず保険会社の担当者に手続きの方法を確認することをお勧めします。

自分の保険に特約があるか確認する方法

弁護士費用特約の有無は、以下の方法で確認できます。

保険証券を確認する

保険契約時に届いた保険証券(証書)に、付帯している特約の一覧が記載されています。「弁護士費用特約」「弁護士費用等補償特約」「権利保護特約」などの記載があるか確認しましょう。

保険会社に問い合わせる

保険証券が手元にない場合や確認方法がわからない場合は、保険会社のコールセンターや担当代理店に電話して確認することができます。

保険会社のマイページ・アプリで確認する

多くの保険会社では、WEBのマイページやスマートフォンアプリで契約内容を確認できます。ログインして特約の有無を確認してみましょう。

家族の保険も確認する

同居の家族が加入している自動車保険にも弁護士特約が付帯している場合があります。家族分の保険証券も確認しておくとよいでしょう。

ポイント:事故後だけでなく、事前に特約の有無を把握しておくと、いざというときに素早く対応できます。

弁護士特約を使うメリット

弁護士費用特約を活用することで、主に以下のようなメリットが考えられます。

費用の心配なく相談できる

弁護士への相談に費用がかかることを心配せずに専門家に相談できるため、一人で悩まずに済む場合があります。

専門家に交渉を任せられる

弁護士が示談交渉を代理で行うため、保険会社との交渉を自分で行う負担を軽減できる場合があります。

等級に影響しないことが多い

弁護士費用特約の利用は、自動車保険の等級(ノーカウント)に影響しないとされているケースが多いとされています。保険会社に確認してください。

納得できる形で進めやすい

専門的な知識をもとにした対応が期待できるため、示談の内容について疑問や不安がある場合に活用する選択肢のひとつとなります。

注意点:弁護士特約を利用すればどんな場合でも必ずよい結果になるわけではありません。弁護士への依頼が適切かどうかは、事故の状況・損害の内容・費用対効果などを踏まえて判断することが大切です。まずは弁護士に相談して、見通しを確認することをお勧めします。

よくある質問

Q.弁護士特約は相手の保険会社との交渉に使えますか?

A.弁護士費用特約を使って依頼した弁護士は、相手方保険会社との示談交渉を代理で行うことができます。専門的な知識をもとに交渉に対応してもらえるため、自分で交渉する場合と比べてスムーズに進む場合があります。ただし、弁護士費用特約の利用条件は保険会社によって異なるため、事前に保険会社へ確認することをお勧めします。

Q.弁護士費用特約の上限を超えた場合はどうなりますか?

A.弁護士費用特約には一般的に上限額が設けられており、上限を超えた費用は自己負担となる場合があります。上限額は保険会社や契約内容によって異なります。弁護士に依頼する際は、費用の見通しと特約の上限額について事前に確認しておくとよいでしょう。

Q.家族の自動車保険の弁護士特約を使えますか?

A.同居の家族が加入している自動車保険に弁護士費用特約が付帯している場合、その特約を利用できることがあります。ただし、適用範囲は保険会社や契約内容によって異なります。家族名義の保険証券を確認するか、保険会社に問い合わせて適用可否を確認してください。

Q.弁護士特約を使うと保険料は上がりますか?

A.一般的に、弁護士費用特約を使用しても等級には影響しないとされており、翌年以降の保険料が上がらない場合が多いとされています。ただし、保険会社や契約内容によって取り扱いが異なる場合があります。利用前に保険会社に確認しておくと安心です。

Q.軽傷でも弁護士特約は使えますか?

A.弁護士費用特約は、事故の傷の程度に関係なく使える場合があります。軽傷であっても、相手方保険会社との交渉が難しいと感じる場合や、示談金の内容に疑問がある場合には、弁護士特約を活用して弁護士に相談することができることがあります。特約の適用条件は保険会社に確認してください。

Q.弁護士特約がない場合、弁護士費用はどうなりますか?

A.弁護士費用特約がない場合、弁護士に依頼した際の費用は原則として自己負担となります。費用体系は弁護士事務所によって異なり、相談料・着手金・報酬金などが発生することが一般的です。費用が心配な場合は、法テラス(日本司法支援センター)の利用や、弁護士事務所への相談時に費用の見通しを確認することをお勧めします。

まとめ

弁護士費用特約(弁護士特約)は、交通事故で弁護士に相談・依頼する際の費用を保険でカバーできる仕組みです。多くの任意自動車保険に付帯できるオプションであり、すでに加入しているにもかかわらず使い方を知らない方も多いとされています。

使えるケース・使えないケースは保険会社や契約内容によって異なります。事故後はまず保険証券を確認し、特約の有無と適用条件を保険会社に確認することが大切です。費用の心配なく弁護士に相談できる環境を整えることで、示談交渉などをより専門的な視点でサポートしてもらえる場合があります。

示談や補償の内容についても以下の記事をあわせてご参考ください。

監修

椎名和希(柔道整復師 / 健康科学修士)

本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療診断・法律判断を行うものではありません。監修者プロフィール

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