治療打ち切りと言われたらどうする?
状況別の対処法を解説
症状の回復度別に対応を整理
保険会社からの治療打ち切り通告には、状況に応じた対処が必要です。
担当医への相談が最初のステップです。
交通事故後の通院中に保険会社から「治療費の支払いを終了します」「そろそろ治療を打ち切ります」と連絡が来ることがあります。こうした状況は多くの被害者が経験しており、適切な対処を知っておくことが重要です。
まず大切なことは、保険会社の判断と医師の判断を区別することです。保険会社の担当者は医療の専門家ではなく、治療の必要性は医師が判断します。
状況別の対処法
症状がほぼ回復している場合
- 1.担当医に現在の状態を確認する
- 2.症状固定かどうかを医師に相談する
- 3.治療終了の手続きを進める
症状がまだ残っている場合
- 1.担当医に継続治療の必要性を確認・記録してもらう
- 2.保険会社に医師の見解を伝える
- 3.健康保険での自費通院も選択肢として検討する
- 4.状況に応じて専門家(弁護士等)に相談する
後遺症が残る可能性がある場合
- 1.症状固定まで治療を続ける方向を担当医と相談
- 2.症状固定後に後遺障害診断書の作成を依頼
- 3.後遺障害等級申請の手続きを保険会社に確認
- 4.専門家への相談を検討する
※ 状況は個人によって異なります。担当医・保険会社・専門家にご確認ください。
注意点
示談書へのサインは慎重に
症状が残っている状態で示談に応じると、後から追加請求が難しくなります。症状の見通しが立つまで示談を待つことも選択肢です。
治療費の立替と後日請求
保険会社の支払いが終了した後でも、健康保険を使った通院の自己負担分を後から請求できる場合があります。領収書は必ず保管してください。
電話・書面のやり取りを記録する
保険会社からの連絡内容(日時・担当者・内容)を記録しておくことで、後の交渉や専門家への相談がスムーズになります。
よくある質問
Q.治療打ち切りを告げられたとき、すぐに通院をやめなければなりませんか?
A.保険会社の治療費支払い終了と、通院をやめることは別の問題です。担当医が治療継続を勧めている場合は、健康保険を使った自己負担での通院に切り替える選択肢もあります。担当医と相談しながら判断してください。
Q.健康保険を使って通院を続けることはできますか?
A.可能です。保険会社の一括対応(治療費の直接支払い)が終了した後でも、健康保険(3割負担)を使って通院を続けることができます。後日、自己負担分を相手方に請求できる場合があります。詳細は担当医・保険会社に確認してください。
Q.打ち切りを告げられてから何日以内に対応する必要がありますか?
A.明確な期限はありませんが、早めに対応することをお勧めします。担当医への相談・保険会社への確認・必要であれば専門家への相談を速やかに進めてください。時間が経つほど状況の確認が難しくなることがあります。
Q.医師が治療継続が必要と言っているのに打ち切られました。どうすれば良いですか?
A.担当医の見解(継続治療が必要な理由)を書面にしてもらい、保険会社に提出する方法があります。それでも解決しない場合は、弁護士等の専門家に相談することを検討してください。状況によっては交渉・調停・訴訟といった選択肢もあります。
Q.打ち切り後も通院を続けた場合、その費用は後から請求できますか?
A.一概には言えませんが、医師が治療の必要性を認め適切な治療を続けていた場合、打ち切り後の治療費も損害として請求できる場合があります。証拠の記録(領収書・診断書・治療内容)を保管しておくことが重要です。
Q.後遺障害申請はいつすればいいですか?
A.後遺障害申請は「症状固定」後に行います。症状固定は医師が判断するもので、保険会社の打ち切りとは独立しています。症状が残っている場合は、担当医に「症状固定」の判断を確認してから申請手続きを進めてください。
まとめ
- ✓治療打ち切りの通告後もすぐに通院をやめる必要はない(症状次第)
- ✓担当医に現在の症状と治療の必要性を確認することが最初のステップ
- ✓健康保険での自費通院も選択肢のひとつ
- ✓症状が残っている状態での示談は慎重に
- ✓複雑な状況では弁護士等の専門家への相談も検討する
椎名和希(柔道整復師 / 健康科学修士)
本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療診断・法律判断を行うものではありません。監修者プロフィール
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